真空圧密ドレーン工法

真空圧密工法(大気圧載荷工法)は1940年代にスウェーデンで考案され,我国には1960年代前半に技術導入された。これは,真空圧を利用して軟弱地盤中に含まれる間隙水を排出し,地盤の圧密沈下や強度増加を図る地盤改良工法である。
 従来の真空圧密工法では気密性を保つために密封シートを使用するが,真空圧密ドレーン工法では排水ホースを予め取り付けたキャップ付きドレーンを,負圧シール効果が得られる 1 m 程度の深度(粘性土層)まで鉛直に打ち込むことで気密性を確保する(図―1)。したがって,鉛直ドレーン打設の一工程で密封効果が得られることから,施工の省力化が図られ,コストダウンと工期短縮ができる。
 本工法の特徴は下記の通りである。
 ? 載荷盛土のように,円弧すべりのようなせん断破壊を生じない。
 ? 盛土材・サンドマットが不要である。
 ? 載荷盛土との併用もできる。
 本工法の用途及び効果は下記の通りである。
 ? 盛土下部地盤の改良
  ・円弧すべりを防止するための段階載荷が不要
  ・真空圧密を併用することで盛土が急速載荷できる

 ? 埋立土砂の減容化
  ・盛土せずに地盤を圧密沈下させることで(処理土減容化により),処分場受入土量を増やせる
  ・改良後に配管系統を生かすことでドレーンの機能が維持できるため,跡地利用の際の地盤改良が不要



参 考 文 献

1) 真空圧密ドレーン工法研究会ホームページ
   http://www.vcd−koho.jp/index.html



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