BTL(バイオ液体燃料)
バイオマスを原料とした燃料には，発酵技術を用いたエタノールやエステル交換反応によるバイオディーゼルなど既に燃料利用されているもののほか，熱分解やガス化などの熱化学的転換技術を経てガソリンや軽油の代替燃料を得る技術がある。原料バイオマスの種類も多種多様であり，適用可能な技術も複数あるため，製造される燃料も多種多様である。(図―１)
これら新燃料の一つである BTL(Biomass To Liquids)は，木質バイオマス(間伐材や稲わら)などをガス化(主に水素と一酸化炭素)し，タール分を取り除いた後，触媒反応により合成して得られるディーゼル代替燃料であり，新しいディーゼル燃料として GTL(Gas To Liquids：天然ガス液化)，CTL(Coal To Liquids：石炭液化)などとともに研究開発が進められている。
BTL の性状は，軽油や灯油などの従来の石油由来の燃料油とほぼ同様で，既存の燃焼機器や動力機関がそのまま利用できる点が大きな特徴である。
また，BTL を使用したディーゼル排気ガスは，従来の軽油に比べ粒子状物質や硫黄酸化物が少ないことや，カーボンニュートラルと考えられることから，地球温暖化対策に効果的とされている。
さらに，木材をはじめとして炭素を含むあらゆる有機質資源が原料となることから，国産資源を原料として活用することも可能であり，将来のディーゼル燃料として開発に期待が集まっている。
参 考 文 献
1) (独)産業技術総合研究所ホームページ
2) バイオマスを原料とする合成燃料の生産技術および利用に関する最新動向調査(平成21年 5 月，(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構，みずほ情報総研(株))
