石炭ガス化燃料電池複合発電

 石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC; Integrated Coal Gasification Fuel Cell Combined Cycle)は,石炭をガス化することにより燃料電池,ガスタービン,蒸気タービンの三種の発電形態を組み合わせてトリプル複合発電を行うものである。
  発電の方法は,(1)石炭をガス化して得られる水素と一酸化炭素を燃料電池に供給して直接発電を行うと同時に,(2)石炭ガスの燃焼エネルギーでガスタービンを駆動させ発電を行い,(3)さらにそれらの排熱を回収して蒸気タービン発電を行うものである。
  実現すれば55%以上の送電端効率が可能となり,CO2 排出量も既存微粉炭火力に比べて約30%低減することが見込まれる高効率発電技術で,将来の石炭火力発電技術として期待されている。
  また,従来の微粉炭火力では,含有水分量が多く発熱量が低い低石炭化度炭(亜瀝青炭や褐炭)を使用しにくかったが,IGFC では低石炭化度炭でも比較的容易にガス化して燃料として使用可能という特徴もある。

参 考 文 献

1) 文部科学省 科学技術政策研究所「科学技術動向 2006年11月号」
   



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