バイオニュートラル工法

バイオニュートラル工法とは何か。少しかみ砕いていえば,「バイオの力でニュートラルを実現する工法」,つまるところ「微生物による環境回復機能を利用して汚染物質を無害化する技術」となる。
  ではこの工法,何に使える技術でどのようなメリットがあるのか。ダム工事や山岳トンネル工事,あるいは地下開削工事といった建設工事現場では,しばしばセメント混じりの濁水が発生する。これを脱水機にかけて固形化したものを脱水ケーキと呼ぶが,従来これは建設汚泥に分類され,六価クロムの溶出量が環境基準を超える場合も見受けられたため,産業廃棄物や管理型産業廃棄物として最終処分されるケースが多かった。
  これを,自然生態系における土壌形成の仕組みの 1 つである「微生物の食物連鎖」を用いて無害化するというのが本技術であり,この脱水ケーキに発酵促進剤を添加することによって植生基盤材の原材料等として再生させることが可能となった。これにより,「廃棄物処分場への運搬や処分費用を削減することによる経済性の向上」,「自然界の仕組みを利用することからくる安全性の高さ」,また「従来懸念された処分場からの二次汚染発生リスクの回避」といったメリットを得ながら,建設工事を効果的に進めることができる。

参 考 文 献

新技術情報提供システム
   http://www.netis.mlit.go.jp/NetisRev/NewIndex.asp



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