オフセット VSP

 VSP(vertical seismic profiling)とは地表に震源を設置してボーリング孔内の受振器で地震波を観測することにより,ボーリング孔周辺の地下構造を調べる手法である。受振される地震波は,直接波と受振器より深い深度からの反射波がある。VSP 探査は,震源の設置位置により呼び方と解析方法が異なり,震源をボーリング孔付近に 1 点配置する方法をゼロオフセット VSP,震源をボーリング孔から離れた地点に設置する方法をオフセット VSP と呼ぶ。ゼロオフセット VSP はボーリング孔近傍の地下構造を把握するのに対し,オフセット VSP は,震源をボーリング孔から離すことで,ボーリング孔より離れた地点の反射波を取得し,比較的広範囲(オフセット距離の半分程度)の地下構造を把握できる。オフセット VSP は,反射法地震探査に比べ反射波の経路がほぼ半分になること,地表付近の減衰域の通過も半分になることで高い分解能を得ることができる。
  ゼロオフセット VSP やオフセット VSP の他にも VSP にはバリエーションがある.ボーリング孔から複数のオフセット距離を設定することで,より詳細な地下構造を把握するウォークアウェイ VSP.発震をボーリング孔内で,受振を地表で行う通常の VSP とは測定レイアウトを逆転させる逆 VSP と言われる手法もある.

参 考 文 献

物理探査ハンドブック手法編 p713-719
   

独立行政法人 石油ガス・金属鉱物資源機構 HP
   http://www.jogmec.go.jp/



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